GoogleがAR美容に注力する狙いとは
AR美容機能をモバイルブラウジングとウェブエクスペリエンスに導入することに
Googleは2023年11月に、AR美容の分野をさらに強化するという発表を行いました。
すでにカラーメイクアップの分野ではARを使ったお試し機能を提供していましたが、単一の機能だけでした。
また、こうしたAR美容機能が使えるのはGoogleアプリに限定されていました。
今回の発表では、まずGoogleアプリだけでなく、Webブラウザや一般的なアプリでも利用できるように範囲を広げることが知らされています。
これによって、Googleアプリを入れていない人でも気軽に機能にアクセスして使えるようになります。
わざわざアプリを入れなくても使えるようになりますので、気になった時にちょっと使ってみるという利用法ができるようになります。
アプリを入れるまでもないという人や、とりあえず1回だけどんな感じか試してみようという人にうれしいお知らせです。
もう一つは、カラーメイクだけでなく、ファンデーションやヘアカラーのAR機能も使えるようになるという変更です。
確かに、実際に製品を買う前にどんな色の雰囲気になるのかなど、ARでチェックできたらとても助かる分野です。
ARに注力することにしたGoogleの狙いとは?
もともとGoogleはARを使ったお試しサービス、「トライオン」という機能を2020年にスタートしていました。
しかし、それほどユーザーからの反応は高くなく、Googleとしてもあまりそれ以上の進展をしていませんでした。
ですが、近年AR技術の向上によって、気軽かつ高品質のARを使ったお試しができるようになってきました。
ユーザーとしてもARに触れる機会は増えてきているため、自分で使ってみようという人が多くなったのです。
Googleのビジネスモデルとしては、多くの企業に広告を出してもらうことで広告収入を得ることが重要な部分を占めています。
今までも美容関連の企業からの広告は多くありましたが、GoogleがAR美容サービスを開始すれば、より顧客がこのサービスを使って商品を購入するチャンスが高まります。
それにより、Googleとしてはより多くの広告出稿依頼を受けて収入を確保しやすくなるのです。
実際にARを使ったお試しをしたユーザーは、その後もサイトもしくはサービス内に留まる確率が高まって、滞留時間も長くなるという分析結果が出ています。
積極的にAR美容機能を押し出すことで、ユーザー体験の質も高められるのです。
当然、こうした改善は顧客満足度のアップや購買率の上昇につながります。
さらに効率の良いビジネスを作っていくためにも、大きな役割を果たすというわけです。