ARと芸術
ARがアートの領域をも広げている
ARは現実に見える世界の中に、スマホやARグラスを使うことで文字や画像、映像などを映し込める技術です。
そのARは様々な分野で実用化されています。
医療現場などでは手術を行う前の準備で利用されていたり、教育現場では教室にいる生徒が現場での雰囲気を味わえるようにしたりしています。
CGと現実とがミックスされ、自分が見ている世界の中にテキストやアイコンが入り込んだ形になりますので、より多くの情報をリアルに伝えられるようになるわけです。
ARはこうした産業だけでなく、エンターテインメントやアートの世界においても利用され始めています。
ゲームではポケモンGOがその代表的な例でしょう。
キャラクターを現実世界の中に投影することで、今までにない映像の表現ができるようになり、世界中で大きな人気を博しました。
アートの世界でもいろいろな取り組みがなされていて、これからARアートという新しいジャンルが登場する可能性を秘めています。
自宅で有名なアート作品の鑑賞ができる
アートでARを利用する最もシンプルなものとしては、美術館に収められている有名な作品を、ARによって自宅でも気軽に鑑賞できるようにするシステムです。
見たいと思っている作品が外国の美術館にあるなど、実際に足を運んで鑑賞できないものは多くあります。
そこで、有名作品をARで再現し、ARグラスなどを使って表示させることでかなりリアルな作品を鑑賞できます。
より気軽にたくさんのアートに触れられることになります。
美術館に行くのは敷居が高いと感じている方でも、もっと気楽な気持ちで鑑賞できますので、芸術への距離を縮めることにもつながります。
インスタレーションの幅も広げられるAR
アート作品を気軽に鑑賞するだけでなく、新しいアートを作り出すためにもARは役立ちます。
アートは常に新しい表現方法を求めて、独創的な作品を作り出してきました。
ARは今までの表現法とは全く異なる世界を作り出すことができます。
デジタルアートというだけでなく、人が今見ている現実世界にアートワークを重ね合わせられるのです。
また、動的なアートを作るのにも適しています。
この点で、ARアートは見る人との連動ができるのが大きな特徴です。
歩くたびに映像が変化したり移り変わったりする形で表示できるからです。
また、見ている人の動きに合わせて、異なる変化を持つ映像を投影させることもできます。
こうして、作者が一方的にアートを見せるのではなく、鑑賞する人も関わってアートを作っていくという新しい形も作れるわけです。
このように、ARによって今までにないインスタレーションの領域が広がっていくことが期待されます。