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HUDに表示できる情報の規定

国交省はHUDに安全基準を設けることを発表

HUDつまりヘッドアップディスプレイは、フロントガラスに情報を投影することでドライバーの視線を下にずらすことなく、必要な情報確認を行えるシステムです。
HUDの先駆けと言えるものは、以前から速度表示をホログラムのような形で全面表示するシステムが一部車両に実装されています。
それをさらに拡大して、フロントガラスに大きく、しかも様々な情報を表示させる機能が追加されるようになっています。

しかし、HUDにはいくつかの問題もあります。
まず、直接自分の目で前方の道路や障害物などを見ているフロントガラスに、透過させる方式であるとはいえ、文字や数字を映し出すことで視界を妨げないかということです。
同じように、確かに目線は前を向いていても、投影された情報に焦点を合わせてしまい横からの動きなどに対応できなくなる恐れも考えられます。
特にたくさんの情報が表示されてしまうと、集中力が妨げられると共に視界を遮る部分が大きくなります。

こうした問題点を排除するために、国交省はHUDの表示について安全基準を設けて、表示できる内容を明確化すると発表しました。
乗車定員が10人未満の乗用車という条件の下、フロントガラスに表示させるHUDにおいて運転中に表示させる情報を限定するとしたのです。
安全基準を明確にすることによって、メーカーは定められた情報以外のものを投影できなくなります。

HUDは運転に関連する情報に限って表示できることに

国交省が発表した内容によると、HUDに投影できるものは運転に関係した情報のみとなります。
ですから、スマホの着信画面や動画再生画面などは直接運転とは関係のないものですので表示できなくなります。
具体的に投影しても構わないとされた情報としては、走行速度や右左折をする時に対向車がいるなど、危険な状況が生じた場合の警告が挙げられています。

また、速度規制の変更、横断歩道についての喚起、車線変更支援情報なども含まれています。
最近の多くの車には、セーフティー機能として車間距離維持や歩行者や自転車などが周囲にいることを警告する機能がありますが、その警告画面も表示可能としています。

さらに、ナビ情報についても表示して良いとしています。
もちろん、実際にはマップをすべて表示するのは視界を妨げるため難しいですが、交差点を曲がる際の指示といった簡易的な表示をHUDとして行うことが考えられます。
このように、安全性を確保しつつも、より便利で視線を前方に維持できるようHUDのルールが定められます。
新型車については2023年9月1日からの適用となり、継続生産車の場合は2024年9月1日からの適用となります。