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東北大学がARドローン操作「PinpointFly」を開発

ドローン操縦中

ドローンを使用する目的は消防やビルの検査などさまざまですが、ドローンを飛ばすこと自体にリスクがあります。適切な訓練を操縦者が受けていなければ、墜落して数千万円の被害を与え、多額の損失を被る可能性があるからです。ここでは、東北大学が開発したドローン訓練プログラム「PinpointFly」について紹介します。

ドローン訓練の現状

ドローンは災害、交通事故行方不明者、洪水、地震などの災害で活躍が期待されています。しかし、訓練では実機を使う必要があります。ドローンを実機で操作する場合、機体を視認しながら操縦するのが一般的です。その場合、機体の奥行きや建物などの位置を正確に把握しなければなりません。また、ドローンの向きにも注意を払わないといけないため、初心者にとって優しいとはいいがたいでしょう。

東北大学が開発したドローン訓練プログラム「PinpointFly」

2019年11月に東北大学の研究チームが発表した「PinpointFly」はドローンの飛行をARで、リアルタイムに制御するインターフェイスシステムです。先ほど説明したようにドローン操縦上達のためには実機を使って訓練しなければなりません。実機の場合機体の損傷や落下時のリスクが付きまといます。そこで、東北大学は、ドローン初心者でも簡単かつ正確に操作できるARを用いたドローン制御法を開発しました。

操作はモバイルディスプレイ越しにする

「PinpointFly」の操作方法はディスプレイ越しに飛行中のドローンを見て、そのドローンの移動先を入力するのみです。ディスプレイには、バーチャルドローンを表示します。その下の地面に描かれている紅い矢印が空中に浮くドローンの影に相当し、ロケーションを把握しやすくなります。ユーザーは、これをドラッグ操作して、ドローンの次の移動先の位置を指定します。画面下部にあるスライダーを動かし、ドローンの向きも指定できます。加えて画面右側のスライダーバーによりドローンの高さの調整が可能です。

操作方法は4種類

ARドローンの操作方法は4種類あります。

  • ドローンの目的地にバーチャルドローンを移動させると実物のドローンが後から自動追従し移動する方法
  • ドローンの目的地にバーチャルドローンを移動させスイッチをタップすると指定した位置へドローンが移動する
  • ドローンに飛行経路を指定しスイッチをタップすると経路に沿ってドローンが移動する
  • ドローンの目的地までの経由点を指定しスイッチをタップすると指定した位置を順番通りに移動する

ARが従来の操作方法より優れていると実証

ドローンの底面カメラから取得した画像を、ワイヤレス伝送でサーバーにストリーミング。サーバー上でアルゴリズム解析しドローンの位置と方向を計算します。その際ストリーミングサーバーからモーションコマンドとFPVビデオストリームが、Wi-Fiでドローンに伝送されます。こうすることで直感的に精密なドローン操作ができます。この方法を使うとドローンの動きに奥行きの動きや複数の回転が含まれる場合、従来のジョイステックコントローラーよりも優れていることを実証しました。